「もう辞めたい。」
そう思いながら出勤した朝が、私は何度もありました。
患者さんの命に関わる責任。
終わらない勉強。
毎日のカルテや家族対応。
制度改定のたびに増える業務。
「このまま定年まで働ける気がしない。」
そう思っても、簡単には辞められませんでした。
生活のこと、お金のこと、一緒に働くスタッフのこと。
いろいろ考えてしまい、「辞めたい」と「辞められない」を何度も繰り返していました。
この記事では、約10年間言語聴覚士として働き、退職を決意した私が、「辞めたい」と思ったときに最初にやってよかったことを5つ紹介します。
今まさに悩んでいる方の気持ちが、少しでも軽くなればうれしいです。
私は最初、「仕事がつらい」としか思えていませんでした。
辞めたい理由を書き出してみる
でも、紙に書き出してみると、本当につらかった理由は一つではありませんでした。
一番大きかったのは、患者さんの命に関わる責任です。
嚥下障害のある患者さんは、「食べたい」という思いを持っています。ご家族も「できるだけ口から食べさせてあげたい」と願っています。
その思いを大切にしながら、肺炎のリスクと向き合って食事内容を考えるのが、言語聴覚士の仕事です。
もちろん、一人で決めるわけではありません。医師や看護師、管理栄養士などと相談しながら方針を決めていきます。
それでも、患者さんが肺炎になったり状態が悪化したりすると、
「私の判断は本当に間違っていなかったのかな。」
と何度も考えてしまいました。
休日になっても患者さんのことが頭から離れず、家にいても心から休めませんでした。
「また悪くなっていないかな。」
そんなことを考えてしまい、仕事の日も休みの日も気持ちが切り替えられなかったのです。
書き出してみると、「辞めたい」のではなく、「責任の重さに押しつぶされそうだった」のだと気づきました。
もし今、あなたも「辞めたい」と思っているなら、一度その理由を書き出してみてください。
言葉にすることで、自分の本当の苦しさが見えてくることがあります。
・患者さんの命を背負う責任が重い
・休日も患者さんのことが頭から離れない
・勉強が終わらない
・制度改定のたびに仕事が増える
・給料が責任に見合っていると思えない
理由が見えると、「ただ甘えているだけじゃなかったんだ」と少し冷静に考えられるようになりました。
すぐに辞表を出さない
つらい日は、「もう今日辞めたい」と思うこともありました。
でも、その勢いで退職を決めなくて本当によかったと思っています。
私は何か月も考え続けたうえで、「もう十分頑張った」と納得して退職を決意しました。
感情だけで決めるより、一度立ち止まる時間をつくることをおすすめします。
お金の不安を整理する
辞められない一番の理由は、お金でした。
生活費はいくら必要なのか。
貯金はどれくらいあるのか。
失業給付は受けられるのか。
転職した場合の収入はどうなるのか。
私はこうしたことを整理していくうちに、「思っていたより何とかなるかもしれない」と感じられるようになりました。
お金の見通しが立つだけで、不安は少し小さくなります。
転職サイトを見るだけでもいい
転職活動は、「応募すること」から始める必要はありません。
私は最初、求人を見るだけでした。
すると、
「土日休みの職場もあるんだ。」
「病院以外で働く道もあるんだ。」
そんな発見がありました。
選択肢を知るだけでも、「今の職場しかない」という思い込みから少し抜け出せます。
自分を責めない
私はずっと、
「自分が弱いから辞めたいんだ。」
と思っていました。
でも今は違います。
言語聴覚士は、患者さんやご家族の人生に深く関わる仕事です。
責任が重いからこそ、心が疲れてしまう人がいても不思議ではありません。
辞めたいと思った自分を責め続ける必要はないと、今なら思います。
まとめ
「辞めたい」と思ったら、すぐに答えを出さなくても大丈夫です。
まずは、
・辞めたい理由を書き出す
・少し時間を置く
・お金を整理する
・転職先を知る
・自分を責めない
この5つから始めてみてください。
あなたの人生は、仕事だけで決まるものではありません。
今の職場で頑張り続けるのも、一歩踏み出して環境を変えるのも、どちらも大切な選択です。
あなた自身が納得できる答えを見つけられることを願っています。